宇都宮家庭裁判所 昭和29年(家イ)150号
本籍 朝鮮○○道○○郡
住所 宇都宮市○○○
申立人 山田正一こと金日東(仮名)
本籍・住所 申立人に同じ
相手方 山田サダ(仮名)
調停条項
1、申立人と相手方は協議離婚することに異議なく、その届出手続は双方協力してなすこと。
2、当事者間に出生した長男一男(○○才)三女花子(○○才)二男芳二(○○才)四女文子(○○才)は相手方において従前通り監護養育に当ること。
3、相手方は申立人に対し金二千円を昭和二九年六月一七日限り申立人方に持参して支払うこと。
但し、内金一千円は昭和二九年六月七日支払済。
4、当事者双方共本件離婚に関し将来何等の名儀を問わず新なる請求を為さざること。
5、調停費用は各自弁のこと。
(参照)
申立の趣旨
1、申立人と相手方は離婚する事。
2、相手方は申立人に対し次女由子を引渡す事。
3、相手方は申立人が持参したる食糧を消費した代金として金円を若干支払うこと。
申立の実情
1、申立人と相手方は約二六年前群馬県○○○○に於て事実上の婚姻をなし、昭和一〇年○○月入籍○人の子女が出生したが内一人は死亡してしまつたのでした。
2、その後○○○に二年○○市に約一〇年居住し続いて同県○○郡○○町に昨年迄居住して居りました。
3、相手方は○○町に移住して三年程過ぎた時三人の子を連れて所在をくらましてしまい申立人は種々手を尽して探した所半年程経つて○○○に居る事が判明し連れ戻したのでした。
4、その後別に何事もなく生活して来たが、昭和二二年頃長女待子が東京都○○の日本○○工場に入社後申立人と口論の上家出をしてしまつたので申立人は待子の所に行つたものと考え尋ねた所来ない、来ないと云うのみであつたが一年程して○○の某寺に飯炊きとして入つた事がわかり連戻しに行つた所帰らないと云い、又寺の者も二、三年かして呉れればよい人間にして返すからと云うので、そのまま帰つたのでした。
5、その後申立人が屋根から落ちてけがをして入院したので近所の人が東京に行き連れて来て呉れましたが相手方は申立人のけがが治らないのにもかかわらず無理に退院させてしまいリヤカーで家に連れて行き翌日六人の子を連れて又家出をしてしまい申立人は病いの身で歩く事も出来ず唯泣くのみでした。
6、申立人はその後苦心して生活を続けて来たが相手方が○○○に居る事が判明したので、その世話になろうとして申立人の食糧一年分程と家を売つた金を持ち昨年○○月○○日に相手方の所に来たのでした。
相手方は食糧や金のある内は唯無駄喰いをしてしまい、なくなると申立人を虐待する様になつたので、申立人としても堪えられず、無駄喰いをした食糧の対価を若干返して貰つて別居し由子の世話になりたく申立趣旨記載のとおり調停を御願いしたく本申立に及んだのであります。